gigantic-soldierのブログ

野球ブログ村・読売ジャイアンツファンの想い

長野、内海の話が、まだ一部じゃ燻ってるようですね!

今日の「春季キャンプ in 那覇」は休養日が明けて、第4クールが
スタートしました。 午前中... お天気はよかったのですが、午後
から降雨となり、投打とも室内練習場にての練習となりました。
明日は、韓国・KIA との練習試合が予定されてますので、今日は軽め
に...ちょうど良かったのではないかと思います。


さて、今日の主題のお話ですが...、宮崎キャンプ中に、”カネやん”
こと金田正一氏が、原辰徳監督を訪れ対談した折の話を、記事にされ
たようで、その中で...原監督への質問というカタチで出た話です。


金田:内海(哲也)と長野(久義)が移籍したが、あのややこしい
   システムをどう思う?


原 :基本的にFAは、頑張った選手に与えられた特権、権利です。
   その選手が欲しいというチームが手を挙げ、選手は一番やりたい
   チームを選ぶ。 それが一般的なFAですが、日本の場合は
   「人的補償」という縛りがある。


金田:人的補償とはどういうこっちゃ。 どこのどいつが考えた?


原 :その辺はわからないですが(苦笑)、日本のFA制度は「28人は
   プロテクトできます」というルール。今回、内海と長野をプロ
   テクトできなかったことは、ジャイアンツにとってはマイナス、
   引き算となる。しかし、足し算で(炭谷)銀仁朗と丸(佳浩)が
   来てくれた。 我々はそういう決断をしたということですから、
   トータルで...どうプラスに変えるかが大事です。


・・・という会話を引用掲載しましたが、「人的補償」について私見を
説明させて戴きます。 私見では「人的補償」は違法と判断してます。


昔々、このカネやんこと金田氏が現役で...晩年を迎えた頃、当時の
ルールで「10年選手制度」というのが有りました。


プロ野球は、現在も同じですが、選手との契約は、勿論、話し合いは
有りますが...球団サイドが条件面、制約など一方的に有利な条項が
盛られており、一旦入団した選手は、一年契約にも関わらず、「隷属」
するがごとく、球団の所有となってます。 年間契約の条件が呑めない
から...と言って、他球団との契約は禁止され、退団も「任意引退」と
して、再度、プロ球界に戻る時は 前に所属した球団に一旦、戻らない
と、再契約は認められないことになってます。


そこで、むかし... 入団してから10年間働いた選手に対して、ご褒美
として「10年選手制度」という、一定額のボーナス金を受け取るか、
他球団との契約を自由にできる権利を得るかの二者択一で、望みが
叶えられるシステムが有りました。 正に、カネやんは その当事者で
国鉄スワローズから巨人へと、それで移籍した選手だったのです。


いつしか、その制度もなくなり... ドラフト制度の時代になると...
その「10年選手制度」は、「FA権」という形で生まれ変わりました。


ドラフト制度というのは、御存じの通り、日本プロ野球界へ入るには
必ず、ドラフト会議で指名して貰わないと叶わないというルールです。


その指名は... 選手の希望、夢など関係なく、球団が一方的に「指名」
するもので、当然、事前の話し合いなど無く、本人の好き嫌いに関わ
らず、その指名を受けなければならない...とされてます。


子供の頃から巨人ファンで...、巨人の選手に憧れて野球をやり始めた
少年が、高校卒業時に、将来の進路希望届けとして、日本プロ野球に
入団したいか、大学進学か...の進路届を提出しないと、ドラフト会議
に諮られない、という制約も義務づけられてます。
そして、そのプロ志望届けは... 特定球団名ではなく、「プロ野球界」
でないとダメなのです。 小さい頃から 巨人に入りたくて血を汗を
流して頑張って来たのに、どの球団から指名されるか分からない...。
拒否権が有る...と言っても、もし それを断ったら、次の年まで野球が
できない(日本プロ球界で...)。で、翌年も 巨人の指名が確実とは
言えない。 指名球団が重複したら、クジ引き...だなんて、自分の
人生がクジ運に賭けられる...とか、人権蹂躙と言いたい。


この「志望届け」、卒業前に 進学かプロか...を固定させる狙いです。
これは、選手が「意中の球団じゃなければ進学する」と言っておいて、
自分の好きな球団以外に指名させない手段として悪用させない歯止め
なのです。 当然、NPBは「進路届け」を高校生や、大学生に義務
づけをしました。 プロ野球球団と契約するのと就職とどう違うのか?
憲法でも保証されてる「職業選択の自由」に抵触しないのか...。
或いは、NPBという組織で制限を設ける「独占禁止法」はどうなのか?


そもそも、ドラフトというのは... チームを強くするためにお金を使う
企業と、お金を使いたくない企業とに色分けされ... 新人獲得にお金を
使ってまでもいい選手を取りたい、という企業にいい選手が集まり過ぎ
一部の偏った球団だけが強くなってしまう現象を是正しよう...との主旨
で、12球団が公平に選手を取って行く...ということになったのです。


お金を使いたくない球団のファンたちは喜びました。 なにしろ、大金
を使わずとも球団を強くできるのですから...。 これが戦力の均衡化。
球団は「お金」という努力、リスク無しで、戦力強化ができるのです。
組織の力を使って、選手たちの自由を奪うという公取違反の事柄です。


米国メジャーでも、勿論、日本がお手本にしたドラフトが有ります。
ただし、米国は「人権」が重んじられてます。 指名は 一方的ではなく
事前に調査、交渉が行われてます。 新人選手でも代理人制度が有って
事前折衝で拒否することもできます。契約金も事前に提示され、入団の
承諾を確認して指名するのです。 史上最高額での契約とか話題になり
ギネスに載ったりしてます。米国の球団経営者は、日本プロ球界を羨望
の眼差しで見ていますよ。 「なんで、そんなことが出来るんだ?」と。


とにかく、ドラフトで指名された選手は... その球団に、一年契約が
基本ですが、終身雇用のようなカタチで所属しなければなりません。
そこで、本人の意志に関わらず、一方的指名で入団を余儀なくされた
選手に対し、一軍登録年数が 高卒8年、大卒7年で、自分の好きな
球団と自由に契約しても良い...という「ご褒美」フリー・エージェント
FA権が与えられることになりました。


ドラフトでは、自分の夢や希望を奪って申し訳なかった。ここまで
球団のため頑張って、貢献してくれたので、そのお礼ということで
あらためて自分の好きな球団と自由に契約してもいいんだよ...と。


その代わり、その選手を受け入れる球団から... 支配下登録といって
余剰人員を削除し、約70人程度に絞って確保してる選手たちから...
更に、28人だけプロテクトしていいから、その他の選手たちのなか
から一人、FAで出て行く選手の替わりに戴きます...というルール。


という、まったく都合のいい話の「人的補償」という... FA権とは
関係の無い... 他球団の人事まで入り込むシステムができたのです。
勿論、アメリカ・メジャーにそんな無茶苦茶なルールは有りません。
日本文化、日本人ファン相手だからこそ... 考えつく施策なのです。


ここから、いよいよ「人的補償」の問題です。 やっと... ですね。
しかし...、申し訳ありませんが、大変 長くなりましたので、この
本題の説明につきましては、明日以降の掲載とさせて戴きます。